核心概念
確率測度に対するアルゴリズム情報保存の不等式を示した。確率測度に対する情報量は、確率測度を処理する際に減少する。
要約
本研究では、確率測度に対するアルゴリズム情報保存の不等式を拡張した。有限列、無限列、T0第二可算位相空間上の確率測度に対して、確率測度の自己情報量は、確率測度を処理する際に減少することを示した。
有限列と無限列の場合は、既存の個別の列に対する情報保存の不等式から直接導かれる。しかし、一般の位相空間への拡張には意義がある。確率測度は数学全般に現れるため、特に一般位相空間への拡張は重要である。
一般位相空間上の確率測度間の情報量は、無限列への写像を介して定義され、無限列間の情報量を用いて評価される。実数空間の例を示し、計算可能な畳み込みに対する情報保存を示した。ガウス関数による信号の滑らか化は、自己情報量の減少をもたらす。
さらに、可算個の開集合による被覆を用いて、一般位相空間上の確率測度間の情報量と有限列上の確率測度間の情報量の下限を関係付けた。また、計算可能な非確率測度による被覆を用いて、上限も与えた。
確率測度の平均情報量は、その平均化の複雑さに比べて小さいことも示した。量子力学の文脈では、ほとんどの純粋状態に対して、測定によって有意な情報は得られないことを示した。
統計
確率測度pとqの間の情報量i(p:q)は、その符号化⟨p⟩と⟨q⟩の間の情報量ı(⟨p⟩:⟨q⟩)以下である。
確率測度Pとqの間の情報量I(P:Q)は、その符号化⟨P⟩と⟨Q⟩の間の情報量ı(⟨P⟩:⟨Q⟩)以下である。
確率測度Pに対する畳み込み ΛPの情報量I(ΛP:Q)は、確率測度Pの情報量I(P:Q)以下である。
可算個の開集合による被覆を用いると、一般位相空間上の確率測度間の情報量と有限列上の確率測度間の情報量の下限を関係付けられる。
計算可能な非確率測度による被覆を用いると、一般位相空間上の確率測度間の情報量の上限を与えられる。
確率測度の平均情報量は、その平均化の複雑さに比べて小さい。
ほとんどの純粋量子状態に対して、測定によって有意な情報は得られない。
引用
確率測度pとqの間の情報量i(p:q)は、その符号化⟨p⟩と⟨q⟩の間の情報量ı(⟨p⟩:⟨q⟩)以下である。
確率測度Pとqの間の情報量I(P:Q)は、その符号化⟨P⟩と⟨Q⟩の間の情報量ı(⟨P⟩:⟨Q⟩)以下である。
確率測度Pに対する畳み込み ΛPの情報量I(ΛP:Q)は、確率測度Pの情報量I(P:Q)以下である。