核心概念
アルゴリズム情報理論に基づいたアプローチにより、従来の統計的手法では区別できないテストの性能を比較し、辞書圧縮法に基づくテストをテストバッテリーに含めることが有効であることを示した。
要約
本論文では、ランダムな数値生成器(RNG)のテストに関する問題を扱っている。アルゴリズム情報理論に基づいたアプローチを用いることで、従来の統計的手法では区別できないテストの性能を比較することができることを示した。
具体的には以下の通りである:
統計的テストの一般化と、ハウスドルフ次元を用いたテストの性能比較手法を提案した。これにより、ある特定のテストが別のテストよりも効率的であることを示すことができる。
マルコフ過程やより一般的な定常エルゴード過程に対するテストの性能を比較し、メモリ次数の異なるマルコフ過程に対するテストの性能の違いを明らかにした。
辞書圧縮法に基づくテストが、定常エルゴード過程に対するテストよりも強力であることを示した。つまり、定常エルゴード過程では無作為と判断されるが、辞書圧縮法では非ランダムと判断される系列が存在することを明らかにした。
以上の結果から、テストバッテリーにはこのような辞書圧縮法に基づくテストを含めることが有効であると結論付けている。
統計
n - |LZ(y1...yn)| ≤ n (1/2 + o(1))
n - |κt
m(x1...xn)| = O(n/t)
n - |ρt(x1...xn)| = O(n/t)
引用
"アルゴリズム情報理論に基づいたアプローチを用いることで、従来の統計的手法では区別できないテストの性能を比較することができる。"
"辞書圧縮法に基づくテストが、定常エルゴード過程に対するテストよりも強力である。"