核心概念
本研究では、実用的で使いやすい高密度筋電図アレイを開発し、その性能を評価した。柔軟で伸縮性のある基板と乾電極を用いることで、装着が簡単で準備が不要な筋電図インターフェースを実現した。
要約
本研究では、高密度筋電図(HD-EMG)アレイの設計、製造方法、特性評価を行った。開発したアレイは、柔軟で伸縮性のある基板に乾電極を配置したものである。この構造により、装着が簡単で、事前の皮膚準備が不要という利点がある。
製造方法は以下の通り:
柔軟なシリコーンゴムの基盤層を作成する
その上に柔軟なプリント基板を折り曲げて配置する
布地の層を追加し、さらにシリコーンゴムで覆う
余分な布地を切り落とし、ベルクロを取り付けて完成
開発したアレイの性能評価を行った。ノイズ特性は、従来の湿式電極と同等以上であった。ジェスチャー認識タスクでは95.9%以上の高精度を達成し、筋電図信号の分解能も湿式電極と同等であった。
これらの結果から、開発したアレイは実用的で使いやすい筋電図インターフェースとして機能することが示された。装着が簡単で、事前準備が不要なため、研究用途だけでなく、実世界での応用も期待できる。
統計
開発したアレイの平均RMS値は14.55μVで、従来の湿式電極の13.5μVと同等レベルであった。
ジェスチャー認識タスクの精度は、乾式電極で95.9%、湿式電極で98.5%と高い値を示した。
筋電図信号の分解能は、乾式電極で12個のモーターユニットを検出し、湿式電極で13個を検出した。