核心概念
提案手法は、外乱と回帰子の間に依存関係がある場合でも、線形システムの未知パラメータを
オンラインで正確に漸近的に同定することができる。また、外乱のない場合には指数収束を
保証し、収束条件も従来手法よりも緩和されている。
要約
本研究では、線形時不変システムに未知の外乱が作用する場合の、オンラインでの
パラメータ同定手法を提案している。
まず、状態変数フィルタを用いて、外乱を含む線形回帰方程式を導出する。次に、
スライディングウィンドウ拡張、Instrumental Variables法、平均化フィルタリングを
組み合わせた新しい拡張スキームを提案する。これにより、外乱の影響が漸近的に
0に収束する新しい回帰方程式を得ることができる。
さらに、Dynamic Regressor Extension and Mixing (DREM)手法を適用して、
得られた回帰方程式を個別の標準形スカラー方程式に変換する。最後に、
このスカラー方程式に対してグラジエントデスセント法を適用することで、
外乱の存在下でも未知パラメータを正確に漸近的に同定できる新しい推定則を
導出している。
提案手法は、従来の手法と比べて以下の3つの重要な特徴を有する:
外乱と回帰子の間に依存関係がある場合でも、未知パラメータを正確に漸近的に同定できる
外乱のない場合には指数収束を保証する
収束条件が従来手法よりも緩和されている
数値シミュレーションにより、提案手法の有効性が示されている。
統計
y(t) = (−2s−1)/(s^2+s+2)[u(t)+f(t)], t≤50
y(t) = (−4s−2)/(s^2+2s+4)[u(t)+f(t)], t≥50
u(t) = sin(2πt) + cos(3t)
f(t) = 0.25sin(0.1πt) + sin(4t) + 1