本研究では、マラリア原虫 Plasmodium falciparum の MORC タンパク質の機能を明らかにするため、多角的な解析を行った。
まず、免疫沈降とプロテオミクス解析により、MORC タンパク質が複数の ApiAP2 型転写因子や染色質リモデリング因子と相互作用することを示した。特に、PfAP2-G5、PfAP2-O5、PfAP2-I などの ApiAP2 タンパク質が主要な相互作用因子であることが明らかになった。
次に、ChIP-seq 解析により、MORC タンパク質が主に亜テロメア領域に局在し、多様な抗原遺伝子群(var、rif、stevor遺伝子)の発現制御に関与することが示された。MORC タンパク質の結合部位は、これらの抗原遺伝子群の発現を抑制的に制御する他の転写因子(PfAP2-G5、PfAP2-O5、PfAP2-I など)の結合部位とも重複していた。
最後に、MORC ノックダウン株の転写解析から、MORC 欠失により侵入関連遺伝子の発現が上昇する一方で、抗原遺伝子群の発現が低下することが明らかになった。
以上の結果から、MORC タンパク質は、ApiAP2 型転写因子や染色質リモデリング因子と協調的に機能し、マラリア原虫の遺伝子発現制御、特に抗原変異に関わる遺伝子群の発現調節に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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抽出されたキーインサイト
by Singh,M. K.,... 場所 www.biorxiv.org 09-11-2023
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2023.09.11.557196v2深掘り質問