核心概念
与えられたグラフにおいて、頂点被覆数が最大となるクリークの集合を見つける問題について、最大次数に応じた複雑性の分類を行った。
要約
本論文では、与えられた無向グラフGにおいて、頂点被覆数が最大となるクリークの集合を見つける問題について考察している。具体的には、以下の2つの問題を扱っている:
- 頂点被覆数最大化問題(Vertex-Disjoint Kr-Packing Problem, VDKr)
- 各クリークが頂点被覆数の意味で互いに素であるような、最大のクリークの集合を見つける問題
- 辺被覆数最大化問題(Edge-Disjoint Kr-Packing Problem, EDKr)
- 各クリークが辺被覆数の意味で互いに素であるような、最大のクリークの集合を見つける問題
論文では、最大次数∆に応じた両問題の複雑性分類を行っている。具体的には以下の結果を示した:
- VDKrは、∆< 3r/2 - 1の場合線形時間で解けるが、∆≥⌈5r/3⌉- 1の場合APX困難である。
- EDKrは、r≤5かつ∆≤2r - 2の場合多項式時間で解けるが、r≥6かつ∆≥⌈5r/3⌉- 1の場合APX困難である。
また、∆< 5r/3 - 1の場合、VDKrとEDKrは多項式時間で解けることも示した。
統計
∆< 3r/2 - 1の場合、最大クリーク被覆数は最大クリーク集合の大きさと一致する。
∆< 5r/3 - 1の場合、Kr-頂点交差グラフはclaw-freeである。
r≤5かつ∆≤2r - 2の場合、Kr-辺交差グラフはclaw-freeである。
引用
"If ∆(G) < 3r/2 −1 then any maximal vertex-disjoint Kr-packing is also a maximum vertex-disjoint Kr-packing."
"If ∆(G) < 5r/3 −1 then VDKr can be solved in polynomial time."
"If r ≥6 and ∆≥⌈5r/3⌉−1 then EDKr is APX-hard."