核心概念
エッジレベルのイーゴーネットワークエンコーディングを導入することで、メッセージパッシングGNNの表現力を向上させることができる。
要約
本論文では、エッジレベルのイーゴーネットワークエンコーディング(Elene)を提案している。Eleneは、ノードの近傍関係を詳細に捉えることで、従来のノードベースのサブグラフGNNよりも高い表現力を持つ。
具体的には、ノードの距離情報と相対次数情報を組み合わせた特徴量を生成する。これにより、強正則グラフなどの従来のGNNでは区別できない非同型グラフを識別できる。
さらに、Eleneエンコーディングを学習可能な形式(Elene-L)に拡張し、ノードやエッジの表現を学習する手法を提案している。Elene-Lは、属性情報と構造情報を統合的に学習できるため、h-Proximityタスクなどの属性依存の課題でも高い性能を発揮する。
実験では、表現力、グラフ分類・回帰、近接性タスクなどで、EleneやElene-Lが既存手法と同等以上の性能を示すことを確認している。また、メモリ使用量の面でも大幅な削減を実現している。
統計
強正則グラフの4×4 Rookグラフと Shrikhandeグラフは、ノードベースのサブグラフGNNでは区別できないが、エッジレベルのElene(ED)では区別できる。
h-Proximityタスクでは、Elene-L(ED)が既存手法を上回る性能を示す。
引用
"Eleneは、ノードの近傍関係を詳細に捉えることで、従来のノードベースのサブグラフGNNよりも高い表現力を持つ。"
"Elene-Lは、属性情報と構造情報を統合的に学習できるため、h-Proximityタスクなどの属性依存の課題でも高い性能を発揮する。"