核心概念
ハードウェアレイトレーサーデータパスパイプラインを実装し、ユークリッド距離と角度距離の計算機能を追加することで、汎用性を高めた。
要約
本論文では、オープンソースのハードウェアレイトレーサーデータパスパイプラインモジュールの実装について説明する。このモジュールは、Chiselハードウェア構築言語で実装されている。
このデータパスは、レイとボックス、レイと三角形の交差判定という2つの主要な計算集約型タスクに対して、統一された固定潜時パイプラインを実装している。さらに、ユークリッド距離と角度距離(コサイン類似度)の計算を加速する2つの追加の演算モードをサポートしている。これにより、ハードウェアレイトレーサーの機能を拡張することができる。
設計上の選択肢として、(1) スキッドバッファを使用したパイプラインステージレジスタ、(2) 機能ユニットの共有、(3) パイプラインステージレジスタの分離、(4) 中間浮動小数点値の各ステージでの丸め処理などが挙げられる。これらの選択は、モジュールの組み合わせ性と容易な修正を目的としたものである。
統計
レイとボックスの交差判定では、各ボックスの最小点と最大点の座標から、レイの原点からの交差距離を計算する。
レイと三角形の交差判定では、三角形の3つの頂点座標から、交差距離の分子と分母を計算する。
ユークリッド距離の計算では、2つのベクトルの各要素の差の2乗和を計算する。
角度距離(コサイン類似度)の計算では、2つのベクトルの内積と、候補ベクトルの2乗ノルムを計算する。