核心概念
大規模言語モデルを活用して、産業オートメーション制御ロジックのテストケースを自動生成することができる。これにより、テストケース作成の手間を大幅に削減し、より効率的な制御ロジックの検証が可能となる。
要約
本研究では、大規模言語モデルを活用した産業オートメーション制御ロジックのテストケース自動生成手法を提案している。従来の手法では、制御ロジックの仕様を正確に把握する必要があり、また状態空間の爆発問題に悩まされていた。一方、大規模言語モデルを活用することで、より柔軟なテストケース生成が可能となる。
具体的な手順は以下の通りである:
制御ロジックのソースコードをプロンプトとして大規模言語モデルに入力する
言語モデルがテストケースを含むCSVファイルを出力する
生成されたテストケースをIEC 61131-3のStructured Textに変換し、実行可能なテストプログラムを生成する
テストプログラムを実行し、ステートメントカバレッジや出力の正確性を評価する
実験では、OSCATライブラリの10種類の関数ブロックを対象に評価を行った。その結果、簡単な関数ブロックではステートメントカバレッジが高く、有用なテストケースが生成できることが分かった。一方で、複雑な関数ブロックではテストケースの品質が低く、手動での修正が必要であることも明らかになった。
今後の課題としては、より高度なプロンプトエンジニアリングによるテストケースの品質向上、タイマー動作の考慮、他の手法との組み合わせなどが挙げられる。大規模言語モデルを活用することで、制御エンジニアのテスト作業を大幅に支援できる可能性がある。
統計
制御ロジックのステートメントカバレッジは、簡単な関数ブロックでは100%に達した。
複雑な関数ブロックでは、ステートメントカバレッジが60%程度にとどまった。
引用
"大規模言語モデルを活用することで、より柔軟なテストケース生成が可能となる。"
"簡単な関数ブロックではステートメントカバレッジが高く、有用なテストケースが生成できることが分かった。"
"複雑な関数ブロックではテストケースの品質が低く、手動での修正が必要であることも明らかになった。"