核心概念
本論文は、宅配ドローンの障害物回避軌道制御のために、低コストで移植性の高い新しい非線形適応学習制御器を提案する。この制御器は、過渡応答を改善するための非線形可変ゲイン関数と極値探索アルゴリズムで構成される。
要約
本論文では、宅配ドローンの障害物回避軌道制御(OATC)問題を扱っている。ドローンの多様な設計と動力源により、実際のシナリオでは機体パラメータが異なるため、制御器の移植コストを低減する必要がある。そこで、提案する非線形可変ゲイン(NLVG)-PID制御器は、固定ゲインPID制御器の過渡応答を改善できる。
まず、ドローンの動力学、運動学、および障害物検知パイプラインのモデルを詳細に説明する。次に、NLVG-PID制御フレームワークと極値探索(ES)法による最適パラメータ決定を開発する。閉ループシステムの安定性解析も行う。
シミュレーションでは、ストーム経路と8の字経路の2つの典型的な衝突回避軌跡を用いて、提案手法の有効性を検証する。結果から、NLVG-PIDは過渡応答を改善し、固定ゲインPIDよりも優れた制御性能を示すことがわかる。
統計
ϕ誤差のIAEは1025.01から933.8に、ITAEは5.10から4.71に、ITSEは185.75から156.42に改善された。
θ誤差のIAEは1015.29から910.0に、ITAEは5.03から4.33に、ITSEは172.42から140.90に改善された。
x位置誤差のIAEは94.82から86.32に、ITAEは0.47から0.43に、ITSEは0.92から0.78に改善された。
y位置誤差のIAEは91.82から82.66に、ITAEは0.41から0.36に、ITSEは0.89から0.70に改善された。