核心概念
ポート・ハミルトン構造に基づいて設計されたニューラルネットワーク制御器は、重み行列の選択に依存せずにL2ゲインが有限となることが保証される。これにより、標準的な勾配法を用いた最適化が可能となり、大規模な非線形分散システムの制御に適用できる。
要約
本論文では、大規模サイバーフィジカルシステムの分散制御に対して、ポート・ハミルトン構造に基づいたニューラルネットワーク制御器を提案している。
まず、分散システムの各サブシステムがディシペイティブであると仮定する。次に、制御器をポート・ハミルトン形式で表現し、その重み行列の選択に依存せずにL2ゲインが有限となることを示す。これにより、制御器の最適化を標準的な勾配法で行うことができ、大規模な非線形分散システムの制御に適用可能となる。
具体的には、制御器の状態方程式と出力方程式をポート・ハミルトン形式で表現し、ハミルトニアン関数の選択によって、L2ゲインが有限となることを証明している。この結果を用いて、分散システムと制御器のフィードバック結合系の安定性を保証している。
最後に、クラマト振動子のコンセンサス制御問題に対して、提案手法の有効性を示している。シミュレーション結果より、様々な通信トポロジーにおいて、ニューラルネットワーク制御器が振動子の同期化を達成できることが確認された。
統計
ωi + Kui(t)
N
N
X
j=1
Pij sin(ϑj −ϑi)
ここで、ϑiは第i番目の振動子の位相、ωiは自然周波数、Kは結合強度、Pijは隣接行列の要素を表す。