核心概念
熱帯幾何学を用いた新しい構造化ニューラルネットワーク圧縮手法TropNNCを提案する。従来手法と比べて、より効果的な圧縮を実現し、特に線形層の圧縮において優れた性能を示す。
要約
本論文では、ニューラルネットワークの圧縮手法TropNNCを提案する。TropNNCは、熱帯幾何学に基づいた構造化圧縮手法であり、線形層およびConvolution層、ReLU活性化関数を持つニューラルネットワークの圧縮を目的としている。
提案手法の特徴は以下の通りである:
- 従来の手法よりも厳密な近似界を得るため、より効果的な圧縮が可能。特に線形層の圧縮において優れた性能を示す。
- 実装が容易で、学習データサンプルの利用を必要としない。
- 畳み込み層の圧縮にも対応しており、熱帯幾何学に基づく初めての手法である。
提案手法TropNNCは、MNIST、CIFAR、ImageNetデータセットを用いた実験により評価された。その結果、従来手法であるThiNetと同等以上の性能を示し、特に線形層の圧縮においては優れた結果を得た。
統計
VGG-16モデルは約138百万のパラメータを持ち、単一の画像分類に約31億FLOPsを必要とする
小型デバイスへの大規模ニューラルネットワークの展開には、モデルの圧縮が重要な課題となっている
引用
"近年、深層ニューラルネットワーク(DNN)は、画像分類、物体検出、セマンティックセグメンテーション、画像キャプショニングなどの分野で大きな進歩を遂げてきた。"
"しかし、リソース制限の小さいデバイス、例えばモバイル端末やエンベデッドシステムへの展開は、計算量と記憶容量の大きさから依然として課題となっている。"