核心概念
本論文では、パラメータ推定の性能限界を特徴づける2つの新しい下限を提案する。第1の下限は、差のみに依存する凸対称損失関数に適用でき、第2の下限は推定誤差のモーメントに特化している。これらの下限は計算が比較的簡単であり、同程度の計算量を要する既存の下限よりも一般的に tight である。
要約
本論文では、パラメータ推定の性能限界を特徴づける2つの新しい下限を提案している。
第1の下限は、差のみに依存する凸対称損失関数に適用できる。この下限は、以下の特徴を持つ:
- 分布族の正則性条件がほとんど必要ない
- 計算が比較的簡単(最適化パラメータが2、3個程度)
- 同程度の計算量を要する既存の下限よりも tight
- ベクトルパラメータにも拡張可能
第2の下限は、推定誤差のモーメントに特化している。特に、2乗誤差(MSE)に注目している。この下限も、上記の特徴を持つ。
これらの下限は、局所的な漸近最小最大性能を特徴づける。すなわち、良好な推定量の性能は、提案した下限に漸近する。いくつかの具体例を示し、既存の下限と比較している。
統計
観測数nが大きい場合、提案した下限は最適な収束レートを与える
具体例では、提案下限が既存の下限よりも有意に tight である