核心概念
ミリ波単一アンテナ小型基地局と流体アンテナシステムを搭載したモバイルユーザーからなるキャッシュ対応ヘテロジニアスネットワークの性能を解析的に評価し、流体アンテナシステムの活用が通信信頼性と遅延を大幅に改善できることを示す。
要約
本研究では、ミリ波単一アンテナ小型基地局と流体アンテナシステムを搭載したモバイルユーザーから成るキャッシュ対応ヘテロジニアスネットワークの性能を解析的に評価している。
主な内容は以下の通り:
ネットワークモデル:
小型基地局にはキャッシュ機能があり、最も人気の高いコンテンツがキャッシュされている
モバイルユーザーは流体アンテナシステムを使用し、最寄りの小型基地局からコンテンツを受信する
性能指標の解析:
成功コンテンツ配信確率(SCDP)と配信遅延(CDD)の解析的な表現を導出
ガウス・ラゲール数値積分法を用いて解析的な解を得る
数値結果:
流体アンテナシステムを使用することで、固定アンテナシステムに比べて通信信頼性と遅延が大幅に改善される
アンテナポート数や流体アンテナサイズの増加により、さらなる性能向上が得られる
小型基地局密度の増加や、コンテンツキャッシュ確率の上昇も性能向上に寄与する
以上より、流体アンテナシステムの活用がキャッシュ対応ミリ波ヘテロジニアスネットワークの性能を大幅に向上させることが示された。
統計
ミリ波単一アンテナ小型基地局の密度は10^-2 m^-2である。
送信電力は-30 dBm、雑音電力は-60 dBmである。
パスロスの指数は3、周波数依存定数は1である。
SNR閾値は0 dB、Zipfパラメータは1、ARQ再送回数は3回である。