核心概念
本論文は、固定ステアリング軸を持つ車輪ロボットの軌道計画手法を提案する。提案手法は、ステアリング角度の制約に対応しつつ、滑らかな軌道を生成することができる。
要約
本論文は、固定ステアリング軸を持つ全方向ステアリング(AWS)ロボットの軌道計画手法を提案している。従来のAWSロボットは、モード切替に時間がかかるため非効率であった。これは、車輪の回転制約と車輪間の協調要件によるものである。直接的な全方向移動戦略を適用すると、大きな滑りが発生したり、構造的な故障につながる可能性がある。さらに、AWSロボットのステアリング範囲の制限により非線形性が増大し、制御プロセスが複雑化する。
これらの課題に対処するため、本論文では、二次離散探索と予測制御手法を組み合わせた新しい計画手法「制約付きAWS(C-AWS)」を開発した。実験結果から、提案手法は、ステアリング角度の制約を遵守しつつ、実行可能で滑らかな軌道を生成できることが示された。
提案手法の主な特徴は以下の通りである:
固定ステアリング軸ロボットに適用可能な時間-コスト-2次オーダーのハイブリッドA*初期軌道プランナー
ステアリング制約を線形化し、C-AWSに対して実行可能な軌道と制御メカニズムを生成する汎用スムーサー
シミュレーション環境での実験により、提案手法の有効性を検証
統計
最大滑りは、OMNIが0.24、S-AWSが0.08、C-AWSが0.04であった。
平均速度は、OMNIが1.161 m/s、S-AWSが1.463 m/s、C-AWSが1.336 m/s。
平均加速度は、OMNIが0.838 m/s^2、S-AWSが0.068 m/s^2、C-AWSが0.561 m/s^2。
平均ジャークは、OMNIが0.186 m/s^3、S-AWSが0.187 m/s^3、C-AWSが0.125 m/s^3。