核心概念
3次元空間での透明性のある動きと適応型アーム支援制御を実現することで、日常生活動作の訓練や実環境での活動を支援する。
要約
本研究では、3次元エンドエフェクタ型の上肢アシストロボット「Assistive Robotic Arm Extender (ARAE)」を開発した。ARAEは、3つの能動関節と2つの受動関節から構成され、3次元空間での透明性のある動きと適応型アーム支援制御を実現する。
適応型アーム支援制御フレームワークでは、まず2つの手法(固定トルソモデルと矢状面モデル)を用いて上肢関節角度を推定する。推定された関節角度を基に、上肢の重力補償力を算出する。
実験では、まず2つの角度推定手法の精度を検証した。固定トルソモデルに比べ、矢状面モデルは体幹の大きな動きがある場合の推定精度が高かった。
次に、適応型アーム支援制御の効果を筋電図計測により評価した。ロボット使用時には、特に前腕屈筋群の筋活動が大幅に低減された。これにより、日常生活動作の訓練や実環境での活動を支援できると考えられる。
統計
上肢の前腕屈筋群の筋活動が、ロボット使用時に52.64%から63.75%低減された。
上肢の三角筋中部の筋活動が、ロボット使用時に19.78%から24.78%低減された。
引用
「適応型アーム支援制御フレームワークにより、3次元空間での上肢の重力補償力を提供できる」
「矢状面モデルは、体幹の大きな動きがある場合の角度推定精度が高い」