核心概念
組織常在性 NK 細胞は、cDC1-CD8 T 細胞の活性化を促進することで、膵臓がんの生存率を向上させる。
要約
本研究は、膵臓がんの免疫抑制性微小環境を克服するための新しい治療アプローチを探っている。
主な知見は以下の通り:
CCL5 は膵臓がんの予後不良因子であり、CCR5 阻害剤の投与により Treg の浸潤が抑制される。
放射線療法(IR)とCCR5阻害剤、PD-1阻害剤の併用療法(IR/CCR5i/αPD1)は、腫瘍細胞の減少、壊死領域の増加、CD8 T 細胞の浸潤を促進する。
腫瘍内の NKG2D- 組織常在性 NK 細胞(trNK)の割合が高いほど、CD8 T 細胞の浸潤と腫瘍縮小が顕著である。
単細胞 RNA シーケンシングにより、trNK 細胞は cDC1 を誘引し、cDC1-CD8 T 細胞間の相互作用を促進することが明らかになった。
trNK 細胞のシグネチャーは膵臓がんのみならず、多くの固形がんにおいて良好な予後と相関する。
以上より、IR/CCR5i/αPD1 併用療法は、trNK 細胞を誘導し、cDC1-CD8 T 細胞の活性化を促進することで、固形がんの治療に有効である可能性が示された。
統計
CCL5 の高発現は膵臓がんの予後不良と相関する。
CCR5 阻害剤の投与により、Treg の浸潤が減少する。
IR/CCR5i/αPD1 併用療法は、腫瘍細胞の減少、壊死領域の増加、CD8 T 細胞の浸潤を促進する。
腫瘍内の NKG2D- trNK 細胞の割合が高いほど、CD8 T 細胞の浸潤と腫瘍縮小が顕著である。
引用
"組織常在性 NK 細胞は、cDC1 を誘引し、cDC1-CD8 T 細胞間の相互作用を促進することで、膵臓がんの生存率を向上させる。"
"trNK 細胞のシグネチャーは膵臓がんのみならず、多くの固形がんにおいて良好な予後と相関する。"