核心概念
コルヒチンは心血管系の炎症経路を抑制することで、心血管疾患のリスクを低減させる可能性がある。
要約
本記事では、コルヒチンが心血管疾患の治療に有効である可能性について説明しています。
まず、コルヒチンが炎症経路に作用し、動脈硬化の進行を抑制することが示されています。コルヒチンは好中球の活性化を抑え、血管内皮への接着を減少させます。これにより、IL-1β、IL-6、hsCRPなどの炎症性サイトカインの産生が抑制され、動脈硬化の進行が抑制されます。
次に、いくつかの臨床試験の結果が紹介されています。CANTOSの二次解析では、hsCRP値の低下と心筋梗塞、脳卒中、心血管死のリスク低下との相関が示されました。COPE-PCI Pilotでは、IL-1経路を標的とすることの有効性が示されました。さらに、POPCORN試験とCLEAR SYNERGY試験では、急性冠症候群患者におけるコルヒチンの効果が検討されています。
一方で、コルヒチンの使用は未だ一般的ではありません。用量の違いや消化器症状などの懸念があるようです。しかし、複数の研究で一貫して心筋梗塞リスクの低下が示されていることから、コルヒチンの心血管疾患治療における有用性が期待されています。
統計
CANTOSの二次解析では、hsCRP値が2mg/L未満の患者で、プラセボ群に比べ心筋梗塞、脳卒中、心血管死のリスクが25%低下した。
COPE-PCI Pilotでは、IL-1経路を標的とすることの有効性が示された。
引用
"コルヒチンは好中球の活性化を抑え、血管内皮への接着を減少させる。これにより、IL-1β、IL-6、hsCRPなどの炎症性サイトカインの産生が抑制され、動脈硬化の進行が抑制される。"
"複数の研究で一貫して心筋梗塞リスクの低下が示されていることから、コルヒチンの心血管疾患治療における有用性が期待されている。"