核心概念
プロジェクト間の相互作用を検出し、それを参加型予算編成に組み込むことで、より適切な予算配分を行うことができる。
要約
本論文では、プロジェクト間の相互作用を考慮した参加型予算編成の問題を扱っている。
参加型予算編成では、市民が提案したプロジェクトの中から、予算の範囲内で最適なプロジェクトを選択する。
これまでの研究では、プロジェクト間の相互作用を考慮していなかったが、実際にはプロジェクト間に正の相互作用(相乗効果)や負の相互作用(代替効果)が存在する。
本論文では、プロジェクトの相互作用を検出する手法を提案し、それを参加型予算編成の意思決定プロセスに組み込む。
具体的には、有権者の投票行動から相互作用を推定し、相互作用を考慮した効用関数を定義する。
さらに、相互作用を考慮した3つの代表的な集計ルール(合計効用最大化、効用積最大化、最小効用最大化)を提案し、それらの計算量を分析する。
最後に、分枝限定法に基づく正確な解法アルゴリズムを提案し、実験評価を行う。
統計
プロジェクトAの費用は2、プロジェクトBの費用は3、プロジェクトCの費用は3、プロジェクトDの費用は1、プロジェクトEの費用は1である。
4人の有権者の投票は以下の通り:
{A, B, D, E}, {A, B, C}, {C, E}, {A, B, D}
プロジェクトAとBは常に一緒に選択されるが、プロジェクトCとDは一緒に選択されることがない。
引用
"実際の有権者の効用は相互補完性や外部性を持つ可能性が高く、我々の効用プロキシとは程遠いものである。"
"プロジェクト間の相互作用を考慮することは、より適切な予算配分を行うために重要である。"