核心概念
最小距離が十分に大きい線形符号の場合、敵対的チャネルにおけるリストデコード容量を達成すれば、q進対称チャネルにおける容量も達成できる。
要約
q進対称チャネルにおけるリストデコード容量と容量の関係
本論文は、情報理論、特に符号理論における、q進対称チャネル(qSC)の容量とリストデコード容量の関係について論じています。
論文では、まず線形符号の基礎概念、レート、誤り耐性について説明しています。そして、qSCと敵対的チャネルという2つのチャネルモデルにおける、レートと誤り率のトレードオフについて考察しています。
論文の主結果は、最小距離が十分に大きい線形符号の場合、敵対的チャネルにおけるリストデコード容量を達成すれば、qSCにおける容量も達成できるというものです。
定理1
{Cn ⊆Fn
q } を、誤り率pの敵対的チャネルにおいてリストデコード容量を達成する線形符号の系列とする。もし、dmin(Cn) = ω
q3
(1−p)2
ならば、{Cn} は qSCp においても容量を達成する。
定理2
C ⊆Fn
q を、最小距離 dmin(C) ≥
q3
(1−p)2 ln4(nL) を持つ、(p, L)-リストデコード可能な線形符号とする(ただし、nは十分大きいとする)。このとき、Cは qSCp′ において信頼性の高い通信に用いることができる。ただし、p′ = p −
7
ln n である。
これらの定理は、リストデコード可能な符号が、qSCにおいても優れた性能を発揮することを示唆しています。