核心概念
本研究では、ベルヌーイ自由境界問題を解くための移動メッシュ有限要素法を提案する。この手法は、疑似過渡過程と移動メッシュ法を組み合わせることで、様々な形状の自由境界を効率的に捉えることができる。
要約
本論文では、ベルヌーイ自由境界問題を解くための移動メッシュ有限要素法を提案している。
まず、ベルヌーイ自由境界問題を時間依存の移動境界問題に変換する。この移動境界問題は、以下の3つのステップで解かれる:
境界の更新: オイラー法を用いて自由境界を更新する。
メッシュの移動: 移動メッシュ法(MMPDE法)を用いて内部メッシュ点を移動させる。
初期境界値問題の解法: 移動メッシュ上で線形有限要素法と暗示的ルンゲ・クッタ法を用いて初期境界値問題を解く。
この手法は、移動境界問題を解くことで、自由境界問題の定常解を得ることができる。また、MMPDEによりメッシュの歪みを抑えつつ、様々な形状の自由境界に対応できる。
数値例として、定数ベルヌーイ条件と非定数ベルヌーイ条件、さらにp-ラプラス方程式や障害物問題などの非線形自由境界問題に適用し、その有効性と頑健性を示している。
統計
自由境界の最大速度は時間とともに減少し、定常状態に収束していく。
メッシュサイズを増やすことで、自由境界の位置の誤差は2次の収束率で減少する。