核心概念
局所定値多パラメータ固有値問題に対して、固有値の多指標に基づくニュートン法を提案し、局所二次収束性を示す。また、特定の多指標に対応する固有値の大域的収束性も示す。
要約
本論文では、多パラメータ固有値問題(MEP)に対する新しい解法として、固有値の多指標に基づくニュートン法を提案している。
まず、MEPの定義と、局所定値性、右定値性、左定値性といった概念を説明する。これらの条件は、多次元境界固有値問題の分離変数法から得られる多パラメータSturm-Liouville問題などで自然に満たされる。
次に、多指標に基づく関数Fiを定義し、その性質を明らかにする。特に、Fiが強半滑らかであることを示し、これを利用してニュートン法の局所二次収束性を証明する。
さらに、右定値かつ左定値なMEPの場合、極小の多指標に対応する固有値を大域的に求められることを示す。これは、極小の多指標に対応する固有関数の内部零点数の特徴付けと関連している。
最後に、非エルミート行列を含むMEPへの適用や数値実験の結果を示す。提案手法は、大きな次元のMEPにおいて特定の多指標に対応する固有値を効率的に計算できる。
統計
λ0A10 + λ1A11 + ... + λmAm0 + λ1A21 + ... + λmAmm = 0
λ0A20 + λ1A21 + ... + λmA2m = 0
...
λ0Am0 + λ1Am1 + ... + λmAmm = 0
引用
"局所定値性は右定値性や左定値性よりも弱い条件であり、多次元境界固有値問題の分離変数法から得られる多パラメータSturm-Liouville問題などで自然に満たされる。"
"提案手法は、大きな次元のMEPにおいて特定の多指標に対応する固有値を効率的に計算できる。"