核心概念
本論文では、有限体上の準直交集合の下界を示した。特に、任意の素数pと整数k≥2、d≥kに対して、体Fの特性がpであれば、k-準直交集合のサイズが少なくともdδ·k/ log kであることを証明した。ここで、δ=δ(p)>0は素数pに依存する定数である。
要約
本論文では、有限体上の準直交集合の下界を示した。
準直交集合の定義:
体Fと整数d、kに対して、集合A⊆Fdをk-準直交集合と呼ぶ。Aの要素は自己直交ではなく、任意のk+1個の要素にはorthogonal な対が存在する。
主結果:
任意の素数pに対して、δ=δ(p)>0が存在し、体Fの特性がpであれば、整数k≥2、d≥kに対して、k-準直交集合のサイズが少なくともdδ·k/ log kである。
これは、k-準直交集合の最適サイズであり、log kの項を除いて最適である。
さらに、2つの拡張結果も示した。
証明の概要:
確率論的な議論と、スペクトル理論、ハイパーグラフのコンテナ法を用いて証明した。
擬似乱数グラフにおける部分グラフの個数を上界評価することが鍵となる。
意義:
有限体上の準直交集合の構造を明らかにした。
回路複雑性や情報理論の問題との関連がある。