核心概念
デコイ効果の存在は、ユーザーの検索行動に大きな影響を与える。特に、タスクの難易度や事前知識レベルによって、デコイ効果の影響が大きく変化する。また、検索システムの脆弱性をデコイ効果の観点から評価することが重要である。
要約
本研究は、検索インタラクションにおけるデコイ効果の影響を調査した。
実験1では、デコイの存在が、ドキュメントのクリック率、閲覧時間、および知覚された有用性に及ぼす影響を分析した。その結果、デコイが存在する場合、ドキュメントのクリック率、閲覧時間、および知覚された有用性が有意に増加することが示された。
実験2では、タスクの難易度とユーザーの事前知識レベルがデコイ効果に及ぼす影響を調査した。その結果、タスクが容易な場合、デコイの存在によってドキュメントのクリック率、閲覧時間、および知覚された有用性が大幅に増加するが、タスクが困難な場合はその影響が小さくなることが明らかになった。また、ユーザーの事前知識レベルが低い場合、デコイの存在によってドキュメントの知覚された有用性が高くなることが示された。
実験3では、検索システムのデコイ効果に対する脆弱性を評価する指標を提案した。この指標は、検索の有効性と脆弱性のバランスを考慮したものである。実験の結果、TCT-ColBERTはデコイ効果に対する脆弱性が低く、高い有効性を示すことが明らかになった。
統計
デコイが存在する場合、ドキュメントのクリック率が12.0%増加する。
デコイが存在する場合、ドキュメントの閲覧時間が6.5秒増加する。
デコイが存在する場合、ドキュメントの知覚された有用性が0.085増加する。