核心概念
出力の微分を状態変数とし、パラメータが線形に含まれる非線形システムのパラメータを、正則化された線形回帰を用いて直接的に推定する新しい手法を提案し、その有限標本サイズでの推定誤差の上界を示した。
要約
本論文は、連続時間の非線形システムのパラメータ推定に関する新しい手法を提案している。
具体的には、状態変数が出力の微分で構成され、パラメータが線形に含まれるクラスの非線形システムを対象としている。
提案手法は、微分フィルタリングと正則化最小二乗法を組み合わせることで、パラメータを直接的に推定する。
微分フィルタリングでは、ノイズの中から出力の微分を推定するための新しい設計と解析手法を用いている。
また、正則化最小二乗法では、両変数にノイズが存在する場合の詳細な解析を行い、有限標本サイズでの推定誤差の上界を導出している。
これにより、従来の非線形システム同定理論では得られなかった、定量的な有限標本サイズでの一致性保証を示すことができた。
数値例と理論例を通じて、提案手法の有効性と従来手法との比較を行っている。
統計
出力の最高次微分の次数mは既知である
出力の観測値は、出力と観測ノイズの和として得られる
観測ノイズの2次モーメントは可積分である
引用
"連続時間の物理法則の多くは、状態変数の微分方程式で表される"
"システム同定は、モデル予測ではなく、パラメータ推定に重点を置くべきである"
"提案手法は、従来の非線形システム同定理論では得られなかった、定量的な有限標本サイズでの一致性保証を示すことができた"