核心概念
非線形システムにおいて、出力測定値から状態の関数を推定するための必要十分条件を示し、対応する関数推定器を設計する。
要約
本論文では、一般的な非線形時変離散時間システムにおいて、出力測定値から状態の関数を推定する問題を扱っている。
まず、関数検出可能性(δ-IOOS)を定義し、これが安定な関数推定器の存在の必要条件であることを示した。さらに、δ-IOOSが成り立つ必要十分条件として、対応するLyapunov関数の存在を示した。
次に、δ-IOOSを仮定した上で、完全情報推定(FIE)アプローチによる関数推定器を設計した。FIEは過去の出力測定値と初期状態推定値を用いて、現在の関数推定値を最適化問題の解として得るものである。このFIE設計が δ-IOSであることを示し、結果として関数検出可能性が関数推定器の存在の必要十分条件であることを示した。
さらに、指数関数的な関数検出可能性の場合について、より単純な二次形式のFIE設計を提案した。
最後に、本手法の有用性を電力システムの例題で示した。状態全体は検出不可能であるが、総電力負荷は関数検出可能であり、提案手法により安定な推定が可能であることを確認した。
統計
状態ベクトルの次元は16
出力ベクトルの次元は8
状態と出力の雑音は一様分布に従う
総電力負荷は状態の和で表される
引用
"非線形システムにおいて、出力測定値から状態の関数を推定するための必要十分条件を示し、対応する関数推定器を設計する。"
"関数検出可能性(δ-IOOS)が関数推定器の存在の必要十分条件であることを示した。"
"指数関数的な関数検出可能性の場合について、より単純な二次形式のFIE設計を提案した。"