核心概念
FDD 大規模MIMO システムにおいて、ダウンリンクチャネル状態情報(CSIT)の取得を完全に排除しつつ、ロバストな性能を達成する新しい枠組みを提案する。具体的には、上りリンクトレーニングから下りリンクCSITを再構築し、レート分割多重アクセス(RSMA)を用いて多重ユーザ干渉を克服する。
要約
本論文では、FDD 大規模MIMO システムにおいて、ダウンリンクチャネル状態情報(CSIT)の取得を完全に排除しつつ、ロバストな性能を達成する新しい枠組みを提案している。
まず、上りリンクトレーニングから2D-NOMP アルゴリズムを用いてダウンリンクCSITを再構築する。上りリンクと下りリンクの間の周波数差異により不可避的に多重ユーザ干渉が生じるため、レート分割多重アクセス(RSMA)を採用し、観測Fisher情報行列(O-FIM)を用いて誤差共分散行列(ECM)を推定する。ECM の推定は、合計スペクトル効率を最大化するための precoding 設計に不可欠である。
シミュレーション結果は、提案手法が他の最先端アプローチと比較して合計スペクトル効率を大幅に改善することを示しており、ECM 推定の重要性を強調している。特に、パス利得の不一致が存在する場合、中間SNR 領域(10-20dB)で5-15%、高SNR 領域(40dB)で41.6%の効率向上が得られる。また、パス数の増加や外挿範囲の拡大に対しても、比較的ロバストなスペクトル効率性能を確保できる。
統計
提案手法は、パス利得の不一致が存在する場合、中間SNR 領域(10-20dB)で5-15%、高SNR 領域(40dB)で41.6%の合計スペクトル効率の向上を実現する。
ECM を無視すると、最大32.3%の合計スペクトル効率の劣化が生じる。
引用
"FDD 大規模MIMO システムにおいて、ダウンリンクチャネル状態情報(CSIT)の取得を完全に排除しつつ、ロバストな性能を達成する新しい枠組みを提案する。"
"ECM の推定は、合計スペクトル効率を最大化するための precoding 設計に不可欠である。"