核心概念
生理的な温度条件下でTRPM4チャネルの構造と機能を解明し、温度感受性チャネルの温度認識メカニズムを明らかにした。
要約
本研究では、生理的な温度条件下でTRPM4チャネルの構造と機能を解析した。
- 生理的温度条件下のTRPM4は、低温条件下とは異なる「温かい」コンフォメーションをとることを単粒子cryo-電子顕微鏡で明らかにした。
- この温度依存的なコンフォメーション変化は、細胞内ドメインのCa2+結合部位の温度依存性によって引き起こされる。
- 生理的温度条件下では、TRPM4のリガンド結合部位が低温条件下とは異なることを示した。代表的なリガンドであるデカバナジウム(活性化剤)とATP(阻害剤)の結合部位が温度依存的に変化する。
- 生理的温度条件下でTRPM4のゲーティング機構を捉え、低温条件下では観察されないチャネル開口状態を明らかにした。
- 本研究は、温度感受性チャネルTRPM4の温度認識メカニズムの分子基盤を提示するものである。
統計
TRPM4チャネルは生理的温度条件下で特有のコンフォメーションをとる。
生理的温度条件下では、TRPM4のリガンド結合部位が低温条件下とは異なる。
引用
「生理的な温度条件下でTRPM4の構造と機能を解析することで、温度感受性チャネルの温度認識メカニズムの分子基盤を明らかにできた。」
「TRPM4のリガンド結合部位は温度依存的に変化し、生理的な温度条件下での結合様式が重要であることが示された。」