核心概念
ドパミンはニューロン活動依存的にタンパク質合成を増加させ、これにより新たに合成されたタンパク質がドパミン依存性LTPの発現に必要となる。
要約
本研究では、ドパミンがマウス海馬CA1ニューロンのタンパク質合成を増加させることを明らかにした。この増加はニューロン活動依存的であり、アデニル酸シクラーゼ(AC)サブタイプ1/8とcAMP依存性プロテインキナーゼ(PKA)を介して生じる。さらに、ドパミンはGluA1 AMPAレセプターサブユニットの発現を増加させるが、GluA2は変化しない。ドパミン依存性LTP(DA-LTP)は、GluA1欠損マウスでは見られず、カルシウム透過性AMPA受容体(CP-AMPAR)の存在も必要とされる。一方、従来型のLTPはGluA1欠損下でも誘導可能である。以上より、ドパミンはニューロン活動と協調してタンパク質合成を調節し、GluA1の発現増加やCP-AMPARの関与によりDA-LTPを可能にすることが示された。
統計
ドパミン処理により、プロテインキナーゼ阻害剤Rp-cAMPSによって完全に抑制される、プロテインキナーゼA依存的なタンパク質合成の増加が観察された。
GluA1欠損マウスではDA-LTPが誘導できず、一方で従来型LTPは維持された。
NASPM処理によりDA-LTPは完全に阻害されたが、従来型LTPには影響がなかった。
引用
"ドパミンはニューロン活動依存的にタンパク質合成を増加させ、これにより新たに合成されたタンパク質がドパミン依存性LTPの発現に必要となる。"
"GluA1欠損マウスではDA-LTPが誘導できず、一方で従来型LTPは維持された。"
"NASPM処理によりDA-LTPは完全に阻害されたが、従来型LTPには影響がなかった。"