核心概念
窒素アシスト堆積法を用いることで、CoFe層からIrMn層への窒素の移動が促進され、IrMn層の磁気異方性が向上し、結果として、反強磁性体/強磁性体積層スタックの交換バイアスエネルギーが増加し、保磁力が低下する。
要約
窒素アシスト堆積による多結晶反強磁性体/強磁性体積層スタックの性能向上
本論文は、スピントロニクスデバイスにおいて重要な役割を果たす交換バイアス効果に関する研究論文である。特に、産業用途で広く使用されている多結晶IrMn3/Co70Fe30反強磁性体/強磁性体(AF/FM)二層膜の性能向上を目指した研究である。
本研究の目的は、窒素アシスト堆積(NAD)法を用いることで、IrMn3/Co70Fe30積層スタックの構造と磁気特性、特に交換バイアスエネルギーと保磁力にどのような影響を与えるかを調査することである。