核心概念
解決反証法を導入することで、大規模言語モデルの論理推論能力を向上させ、一般化と忠実性を実現する。
要約
本論文は、大規模言語モデルの論理推論能力を向上させるため、解決反証法を導入した新しい推論フレームワーク「GFaiR」を提案している。
まず、論理推論タスクの背景と課題を説明する。大規模言語モデルは自然言語推論タスクで高い性能を示しているが、形式論理に基づく推論では依然として課題がある。これは、従来の推論システムが理論的に不完全であるため、単純な推論問題しか扱えず、一般化能力が低下するためである。
そこで本研究では、解決反証法を導入することで、一階述語論理の全ての推論問題を解決できるようにし、推論の完全性を向上させる。具体的には、以下の5つのモジュールから成るGFaiRを提案している:
自然言語表現をスコレム標準形に変換するコンバーター
前段階の理論を選択する前選択器
前選択器で選択された理論と残りの理論の関係を考慮して、次の理論を選択する後選択器
選択された2つの理論から新しい結論を生成する知識合成器
選択された理論が論理的に関連しているかを検証するバリデーター
これらのモジュールを組み合わせることで、解決反証法に基づく推論を実現し、一般化能力と忠実性を向上させている。
実験結果から、GFaiRは複雑な推論シナリオでも高い性能を示し、従来手法よりも優れた一般化能力を持つことが確認された。また、推論過程の忠実性も高いことが示された。
統計
全ての人は丸くない。
全ての人は丸い。
丸くて優しい人は粗い。
ボブは優しくない。