核心概念
製造プロセス間のデータ分布の違いを考慮しつつ、効率的にデータを選択・共有することで、製造異常検知モデルの性能を向上させる。
要約
本研究では、3Dプリンターの製造プロセスにおける異常検知を目的とした、能動的データ共有(ADs)フレームワークを提案している。
3Dプリンターの製造プロセスから収集したインサイトモニタリングデータを対象とする。
3台のプリンターのうち2台は同一メーカー・モデルの小型機、1台は別メーカーの大型機であり、データ分布に違いがある。
データ分布の違いを考慮しつつ、異常検知モデルの性能向上に寄与する情報量の高いデータを選択的に共有するため、以下の2つのアプローチを統合したADsフレームワークを提案した。
教師なし学習によるコントラスティブ学習(CL)を用いて、データ分布の類似性を評価する。
能動学習(AL)の不確実性サンプリングを用いて、異常検知モデルの性能向上に寄与する情報量の高いデータを選択する。
CLとALの2つのアプローチを統合したジョイントスコアを用いて、データ分布の類似性と情報量の高さを両立した最適なデータ選択を行う。
提案手法により、ラベル付きデータの26%を使うことで、ベースラインの100%ラベル付きデータを使う場合よりも1.41%高い精度95.78%を達成できた。
統計
同一メーカーの小型プリンター(S1, S2)と別メーカーの大型プリンター(L1)の製造データを使用した。