核心概念
論文の参照文献の2世代にわたる分類と、ASJC Scopus方式に基づく新しい分数分類手法を提案し、その特性を分析する。
要約
本論文は、Scopus収録の2020年の引用可能論文を対象に、参照文献の1世代目と2世代目を用いて、ASJC (All Science Journal Classifications)カテゴリーに分数的に割り当てる新しい分類手法を提案し、その特性を分析している。
主な内容は以下の通り:
参照文献の1世代目のみ使う方式(M1)、2世代目のみ使う方式(M2)、1世代目と2世代目を組み合わせる方式(M3)の3つの手法を提案し、さらに全カウントと加重カウントの2つの手法を組み合わせて分類を行う。
参照文献の2世代目の扱いについて、平均化する方法と平均化しない方法を検討する。
複数のカテゴリーへの割り当てを許容する際の閾値を3種類(1/2、2/3、4/5)設定して検討する。
提案手法による分類結果と、Scopusジャーナルの分類、著者自身による分類(AAC)との比較を行う。
提案手法による分類は、Scopus分類や著者分類と比較して、カテゴリーの均一性が高く、参照文献の引用傾向との整合性が高いことが示された。特に、2世代の参照文献を用い、高い閾値を設定した加重カウントの手法が優れていることが明らかになった。
統計
2020年Scopus収録論文の93.10%が3つ以上の有効な参照文献を持っている。
参照文献1世代のみ使う場合、10.39%の論文が分類対象外となる。
参照文献2世代を使う場合、7.46%の論文が分類対象外となる。
参照文献1世代と2世代を組み合わせる場合、6.90%の論文が分類対象外となる。