核心概念
本論文では、過去の予測履歴を利用して候補ラベルセットから信頼できる擬似ラベルを選択する新しい手法CroSelを提案する。CroSelは、2つの深層学習モデルが互いに擬似ラベルを選択する交差選択戦略と、データ拡張を活用したコンシステンシー正則化項を組み合わせている。これにより、ほとんどの訓練例の真のラベルを高精度で選択できる。
要約
本論文では、部分ラベル学習(PLL)における課題である「ラベルの曖昧性」に取り組むため、CroSelと呼ばれる新しい手法を提案している。
まず、CroSelは過去の予測履歴を利用して、候補ラベルセットから信頼できる擬似ラベルを選択する。具体的には、以下の3つの基準に基づいて選択を行う:
選択したラベルが候補ラベルセットに含まれること
過去t回の予測で同じラベルが選択され続けていること
過去t回の平均予測確率が閾値γを超えていること
次に、CroSelは2つの深層学習モデルを用いた交差選択戦略を採用する。各モデルは互いに相手の選択した擬似ラベルを用いて学習を行い、選択精度の向上を図る。
さらに、CroSelはコンシステンシー正則化項を導入する。これにより、選択されなかった訓練例に対しても擬似ラベルを生成し、学習に活用することができる。MixUpを用いてデータ拡張を行うことで、擬似ラベルの質を高めている。
以上の手法により、CroSelは部分ラベル学習の既存手法を大きく上回る性能を達成している。特に、CIFAR-100データセットにおいて顕著な性能向上が確認された。また、選択した擬似ラベルの精度と割合も非常に高いことが示された。
統計
過去t回の平均予測確率が閾値γを超えていること
過去t回の予測で同じラベルが選択され続けていること