核心概念
希土類イオンをドープした磁性材料を用いることで、マイクロ波フォトンの光サイドバンドフォトンへの変換速度を大幅に向上させ、量子コンピュータ間の長距離エンタングルメントの実現に貢献できる可能性がある。
要約
マグノンモードによるマイクロ波-光スピンベース量子変換の強化
本稿は、磁性材料中のスピンを持つ不純物を利用した、単一マイクロ波フォトンの単一光サイドバンドフォトンへの新しい変換方法を提案する研究論文である。
本研究は、希土類イオンをドープした磁性材料を用いることで、マイクロ波フォトンの光サイドバンドフォトンへの変換(量子変換)の効率を大幅に向上させることを目的とする。
本研究では、エルビウムイオンをドープしたイットリウム鉄ガーネット(YIG)をモデル系として、マグノン、エルビウムスピン、マイクロ波共振器、光共振器間の相互作用を記述するハミルトニアンを構築した。回転波近似および断熱消去法を用いて、系全体のダイナミクスを解析し、変換効率に影響を与えるパラメータを明らかにした。