核心概念
独立した光周波数コムを用いることで、光周波数配信が不要な汎用性の高いツインフィールド量子鍵配送(TF-QKD)を実現し、546kmのフィールドテストで安全な通信に成功した。
要約
概要
本論文は、独立した光周波数コムを用いたツインフィールド量子鍵配送(TF-QKD)のフィールドテストに関する研究論文である。
従来の量子鍵配送(QKD)システムでは、距離による鍵配送速度の低下が課題であった。本研究では、TF-QKD技術を用いることで、長距離光ファイバー回線における安全な通信の実現と、量子ネットワークへの統合の可能性を探求することを目的とする。
中国の済南市と青島市間、直線距離300kmの敷設済み光ファイバー回線(総距離427km)を用いてフィールドテストを実施。
各地点に独立した光周波数コムを設置し、量子信号、チャネル安定化、タイミング信号の送信に利用。
量子チャネルの長さを変化させるため、測定ノードに光ファイバーを追加。
対称(546km、603km)と非対称(452km、非対称性44km)の量子チャネル構成で実験を行い、有限サイズ効果と漸近的な安全鍵レートを測定。