核心概念
風力タービンの異常検知には通常動作モデルを使用するが、各タービンのモデルを訓練するのは時間とリソースがかかる。そのため、限られたデータや計算リソースの環境でも使用できるTransfer Learningが重要となる。
要約
本研究では、オートエンコーダベースの異常検知にTransfer Learningを適用する方法を検討した。まず、1つのタービンのデータで訓練したモデルを別のタービンに適用する「asset-to-asset」Transfer Learningを行った。次に、複数のタービンのデータで訓練したモデルを1つのタービンに適用する「multi-asset」Transfer Learningを行った。
asset-to-asset Transfer Learningでは、1-3ヶ月の少量のデータでファインチューニングすることで、1年分のデータで訓練したベースラインモデルと同等以上の性能が得られた。特に、デコーダのみをファインチューニングする手法が最も良い結果を示した。
一方、multi-asset Transfer Learningでは、ベースラインモデルに及ばない結果となった。これは、同一風力発電所内のタービンが非常に似た動作をするため、過学習が生じたためと考えられる。
3つのケーススタディでは、1-2ヶ月のデータでファインチューニングしたTransfer Learningモデルが、ベースラインモデルと同等以上に早期の故障検知を行えることを示した。
統計
風力タービンの故障により、センサー値が通常と大きく異なる変化点が検知された。
水冷システムの問題によるセンサードリフトが検知された。センサー値の正の傾向が観察された。
ギアボックスの故障により、異常が検知された。
引用
"Training an anomaly detection model based on NBM requires enough data representing normal operation of the wind turbine. However, such data is not available for new installations or after maintenance actions, such as an oil refill or component replacements resulting in changed normal behaviour. To overcome the scarcity of training data, the application of Transfer Learning (TL) can be beneficial."
"TL involves transferring learned behaviour from one model to another, similar to how humans learn new tasks by applying knowledge from related tasks. In the context of wind turbines, this involves using a pretrained model for anomaly detection in one wind turbine (or a group of wind turbines) and repurposing it for anomaly detection in another wind turbine."