核心概念
本論文では、時間並列のベイズ推論に基づく確率数値ODEソルバーを提案する。従来の確率数値ODEソルバーは時間的に順次的に処理していたが、提案手法では時間並列処理を行うことで計算量を対数オーダーに削減できる。
要約
本論文では、確率数値ODEソルバーの新しい時間並列アプローチを提案している。
まず、ODEの数値解を確率的な状態推定問題として定式化する。線形ODEの場合は、時間並列カルマンフィルタ・スムーサーを用いて正確な推論が可能である。
次に、非線形ODEの場合は、時間並列反復拡張カルマンスムーサー(ParaIEKS)を提案する。ParaIEKSでは、ODEベクトル場の線形化を時間並列に行い、その後に時間並列カルマンスムーサーを適用する。これにより、従来の順次的な確率数値ODEソルバーと比べて計算量を大幅に削減できる。
実験では、様々なODEに対してParaIEKSの有効性を示し、従来手法との比較を行っている。また、ParaIEKSの並列性能についても評価している。
統計
ODEの次元が大きくなるほど、ParaIEKSは従来手法と比べて大幅な高速化が可能である。
時間ステップ数が多い場合、ParaIEKSは従来手法と比べて2桁以上高速化できる。
引用
"本論文では、時間並列のベイズ推論に基づく確率数値ODEソルバーを提案する。従来の確率数値ODEソルバーは時間的に順次的に処理していたが、提案手法では時間並列処理を行うことで計算量を対数オーダーに削減できる。"
"ParaIEKSでは、ODEベクトル場の線形化を時間並列に行い、その後に時間並列カルマンスムーサーを適用する。これにより、従来の順次的な確率数値ODEソルバーと比べて計算量を大幅に削減できる。"