核心概念
線形表現可能なゲームにおいて、シャープレイ値の計算は擬多項式時間で可能である。
要約
線形表現可能なゲームとシャープレイ値計算
この記事では、線形表現可能なゲームという新しいゲームの枠組みを導入し、そのゲームにおけるシャープレイ値計算が擬多項式時間で可能であることを示しています。
線形表現可能なゲームとは、各プレイヤーに重みが割り当てられ、提携の値がプレイヤーの重みの合計の関数として表現できるゲームです。具体的には、重み関数 a: N → N と関数 f: N → N を用いて、提携 S の値 v(S) が v(S) = f(Σ_{j∈S} a(j)) と表せるゲームが線形表現可能です。
例として、重み付き投票ゲームや破産ゲームなどが挙げられます。これらのゲームは、それぞれプレイヤーの票数や負債額を重みとして捉えることで、線形表現可能なゲームとして表現できます。
従来、シャープレイ値の計算は、プレイヤー数の指数時間に比例する計算量が必要とされてきました。しかし、線形表現可能なゲームの場合、プレイヤー数と重みの最大値の多項式時間で計算できる擬多項式時間アルゴリズムが存在することが示されました。