核心概念
恐怖条件づけにおける防御行動は、恐怖刺激に対する連想学習と、刺激の強度や順序などの非連想的な要因の両方に影響を受ける。
要約
連想学習と非連想学習が防御行動のダイナミクスに及ぼす影響
本研究は、マウスを用いた恐怖条件づけ実験を通して、連想学習と非連想学習が防御行動の発現にどのように寄与するかを調査した。具体的には、音とホワイトノイズ (WN) から成る複合刺激 (SCS) と足への電気ショックを組み合わせた条件づけを行い、マウスのすくみ反応、ジャンプ、ダッシュなどの行動変化を観察した。
雄雌のC57BL/6Jマウスを、以下の5つのグループにランダムに割り当てた。
ペアグループ (PA): SCSと電気ショックをペアで提示
ペア逆転グループ (PA-R): WNと音の順序を逆転させたSCSと電気ショックをペアで提示
非ペアグループ (UN): SCSと電気ショックをランダムなタイミングで提示
非ペア逆転グループ (UN-R): WNと音の順序を逆転させたSCSと電気ショックをランダムなタイミングで提示
ショックのみグループ (SO): 電気ショックのみを提示
条件づけ後、SCSのみを提示する消去セッションを2回実施し、行動変化を観察した。