核心概念
屋内テラヘルツ通信システムにおいて、ユーザー機器(UE)の位置は、そのカバレッジ確率に大きな影響を与える。
要約
本稿では、3次元(3D)屋内テラヘルツ(THz)通信システムの新しい分析フレームワークを開発し、カバレッジ確率を調査している。
システムモデル
- THz APは天井に取り付けられ、その位置は密度λAのポアソン点過程(PPP)に従う。
- UEは床上にランダムに分布している。
- 壁はマンハッタンラインプロセス(MLP)を用いてモデル化され、人間の遮蔽物はランダムな円柱プロセスを用いてモデル化される。
- AP-UEリンクは、LoS遮蔽ゾーン内に人間の体があると遮蔽されると考えられる。
- 最近傍LoS-AP関連付け戦略を採用する。
- 3D指向性アンテナは、送信機と受信機の両方で3Dピラミッドプラス球セクタアンテナモデルで近似される。
- THzチャネルモデルは、距離依存の大規模フェージングとマルチパスによる小規模フェージングを考慮する。
- 小規模フェージングゲインは、変動する2レイ(FTR)分布を用いてモデル化される。
カバレッジ解析
- UEの位置が、その関連付けられたAPまでの距離と干渉APの強度に与える影響を分析する。
- 干渉信号に対するアンテナゲインを分析する。
- 干渉APの強度とTHz通信リンクで発生するFTRフェージングを考慮して、カバレッジ確率の新しい式を導出する。
結果と考察
- 解析結果はシミュレーション結果とよく一致し、解析の正確性を示している。
- UEの位置は、そのカバレッジ確率に大きな影響を与える。
- 部屋の隅にあるUEは、中央にあるUEと比較して、カバレッジ確率が低い。
- カバレッジ確率を最大化する最適AP密度は、UEの位置と部屋のサイズによって決まる。
結論
本稿で開発された分析フレームワークは、屋内THz通信システムのカバレッジ性能を評価するための貴重なツールを提供する。UEの位置と部屋のサイズの影響を考慮することで、カバレッジ要件を満たすTHzシステムの設計が可能になる。
統計
APの動作周波数は300 GHz、帯域幅は5 GHz。
APの送信電力は5 dBm。
AWGN電力は-77 dBm。
APのアンテナのメインローブゲインは25 dBi、サイドローブゲインは-10 dBi。
UEのアンテナのメインローブゲインは15 dBi、サイドローブゲインは-10 dBi。