核心概念
複数の送信者が盗聴者に情報が漏れないように、受信機と協調して情報を共有し、目的の確率分布を近似的に再現する際の、共有ランダムネスレートの達成可能な領域と、その達成可能性を証明する。
要約
秘密制約下における多端末間の強い協調性について
本稿は、盗聴者の存在する環境下における、多端末間での安全な協調通信について考察した研究論文である。
盗聴者が存在する環境下において、複数の送信者と受信機が協調して情報を共有し、目的の確率分布を近似的に再現する問題を考察する。
セキュリティを確保しながら、効率的な協調を実現するために必要な、共有ランダムネスレートの達成可能な領域を導出する。
情報理論的な観点から、多重アクセス盗聴チャネル(MAC-WT)モデルを用いて問題を定式化する。
送信者と受信機が事前に共有するランダムネスを活用する協調コーディングと、盗聴者への情報漏洩を防ぐワイヤタップコーディングを組み合わせた符号化方式を提案する。
提案方式の達成可能なレート領域を導出し、その領域が特定の条件下でタイトになることを証明する。