核心概念
点群補完における従来のエンコーダ・デコーダパラダイムの限界を克服するために、新たな構造的優先事項である「インターフェース」を導入し、粗形状の生成をインターフェースから欠損部分への移動として再定義することで、詳細な復元能力を向上させる。
本論文は、3次元オブジェクトの形状を部分的な点群データから復元する点群補完の分野における新たな手法を提案する。既存のエンコーダ・デコーダモデルは、特徴抽象化の問題により詳細情報の損失に悩まされてきた。本研究では、SPAC-Netと呼ばれる新しいフレームワークを提案し、「インターフェース」と呼ばれる新しい構造的事前知識を導入することでこの問題に取り組む。
SPAC-Netは、形状生成と形状アップサンプリングの2つの主要段階から構成される。
形状生成段階:
インターフェースのローカライズ: 入力点群と欠損部分の境界であるインターフェースを、Marginal Detector (MAD) モジュールを用いて特定する。
粗形状の予測: インターフェース上の点から欠損部分における対応する位置への移動量を学習することで、粗形状を予測する。
構造的詳細の強化: Structure Supplement (SSP) モジュールを用いて、粗形状の構造的詳細を強化する。
形状アップサンプリング段階:
詳細が強化された粗形状に対して、軽量ながら効率的なFoldingNetを用いてアップサンプリングを行い、高解像度の完全な点群を生成する。