核心概念
ロボットの音声と同期した振動フィードバックが、ユーザーの感情的な反応と親近感に影響を与える可能性を示唆している。
要約
ロボットの音声に合わせて振動フィードバックを提供する感情表現システムの開発
本研究論文は、コミュニケーションロボットの音声と同期して振動フィードバックを提供するシステムの開発について述べています。このシステムは、テキストから感情を推定し、それに応じて振動刺激を生成することで、ロボットとのコミュニケーションを強化することを目的としています。
システム構成
人型ロボットSota (Vstone)を使用し、日本語の音声と同期して振動フィードバックを提供するシステムを開発。
OpenAIの"GPT-4o Mini"を用いてテキストの感情を推定し、感情値に基づいて振動刺激を生成。
振動刺激は、感情値に基づいて振動数と振幅が調整された正弦波として設計。
振動刺激の提示には、球状の触覚ディスプレイを使用。
実験方法
20代の男女6名を対象に、振動フィードバックありと振動フィードバックなしの2つの条件でSotaの音声を聞かせ、心理状態を評価。
10種類の短いフレーズをランダムな順序で提示し、各フレーズ聴取後に感情をSelf-Assessment Manikin (SAM)で評価。
各条件の終了後、Inclusion of Other in the Self (IOS)スケールを用いて心理的な距離を評価。
実験後、自由記述によるコメントを収集。
結果と考察
振動フィードバックありの条件では、SAMテストにおいて、全体的に不快感が増す傾向が見られた。
特に、ネガティブな感情を含むフレーズでは、振動フィードバックによって不快感が増強される傾向が見られた。
振動フィードバックありの条件では、全体的に覚醒度が高くなる傾向が見られた。
IOSテストでは、振動フィードバックありの条件で親近感が高くなる傾向が見られた。
自由記述コメントでは、振動フィードバックに対する肯定的な意見と否定的な意見の両方が見られた。