核心概念
本稿では、依存型理論における対称的な恒等型を非対称なhom型に一般化する有向型理論の圏モデルを提示し、合成1圏理論の構築における有用性を示す。
本稿は、依存型理論における恒等型の概念を非対称なhom型に一般化する「有向型理論」の圏モデルについて論じている。Martin-Löf型理論では恒等型は対称的である、つまり、 p: Id(t, t’) が成り立つとき、 p^-1: Id(t’, t) も成り立つ。一方、有向型理論では、この対称性を仮定しない。
本稿で提示される圏モデルは、HofmannとStreicherによる亜群モデル[15]を基に、その有向版として構築されている。圏モデルでは、コンテキストは圏として、型はコンテキスト上の圏の族として、項はその型の断面として解釈される。