核心概念
決定性計算を表現するための有限の制御フロー演算の集合は存在しない。
要約
この論文は、Kleene Algebra with Tests (KAT) の決定性断片が、有限個の正規制御フロー演算の集合によって生成されないことを示しています。
研究目的:
- 決定性計算を表現できる、有限の制御フロー演算の集合を見つける。
方法:
- 正規制御フロー演算の概念を導入し、GKATで表現できない決定性制御フロー演算を含める。
- GKATを有限個の正規制御フロー演算で拡張することを検討する。
重要な発見:
- このような演算の有限集合Oに対して、Oの演算の合成では表現できない正規制御フロー演算が常に存在する。
- 無限だが自明でない正規制御フロー演算の生成集合を特定した。
- 制御フロー演算が決定性であるかどうかを判定する問題はcoNP完全であることを示した。
主な結論:
- 決定性計算を表現するための有限の制御フロー演算の集合は存在しない。
- この結果は、従来の制御フロー演算(逐次合成、if-then-else、while)の表現力に関する以前の結果を一般化するものである。
意義:
- この研究は、決定性制御フローの性質に関する洞察を提供する。
- KATとGKATが、決定性制御フローに関する疑問を形式化し、答えるための有用なツールであることを示している。
制限と今後の研究:
- 今後の研究では、continue文、例外、代数的効果など、異なる種類の(非局所的)フロー制御を検討することが考えられる。