この論文は、一様有界な可分距離空間の列の縮小積の間の関数の挙動を調べ、特にOCAとMAℵ1(σ-linked)という集合論的公理の下での座標尊重関数の自明性を証明しています。
論文ではまず、距離空間の列 (Mn, dn) に対して、縮小積 M := Qn Mn/ Fin を導入しています。これは、各空間の点列 (an) を要素とし、2つの点列が「漸近的に等しい」(limn dn(an, bn) = 0)場合に同一視する同値関係 Fin による商空間です。
次に、2つの縮小積 M = Qn Mn/ Fin と N = Qn Nn/ Fin の間の関数 ϕ が座標尊重であるとは、添字集合 N の有限集合による分割に関するある種の整合性条件を満たすことを意味します。具体的には、N の有限部分集合全体が作るブール代数の自己同型 α が存在し、任意の有限添字集合 S と M の要素 a, b に対して、a と b が S 上で漸近的に等しいならば、ϕ(a) と ϕ(b) も α(S) 上で漸近的に等しいことを要求します。
論文の主結果は、OCAとMAℵ1(σ-linked)という集合論的公理の下では、一様有界な可分距離空間の列の縮小積の間のすべての座標尊重関数は自明であるというものです。ここで、関数が自明であるとは、添字集合 N の置換と各空間の間の関数列を用いて、自然な形で表現できることを意味します。
証明は、まず有限距離空間の場合に帰着し、その場合について Jprod という、ある種の「持ち上げ可能性」を表す集合族が非 meager であることを示すことで行われます。具体的には、Jprod は、各要素が N の部分集合であり、その部分集合上である種の整合性条件を満たす関数列が存在するような集合全体からなります。OCAとMAℵ1(σ-linked)を用いることで、Jprod が非 meager であること、すなわち位相的な意味で「大きい」ことを示し、そこから最終的に N 自身が Jprod に属することを導きます。
この論文は、OCAとMAℵ1(σ-linked)という集合論的公理が、距離空間の縮小積の構造に関する強い制約を導くことを示しています。特に、これらの公理の下では、座標尊重関数は非常に単純な形に分類され、縮小積の構造に関する深い理解が得られます。
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