核心概念
時間的異質性ネットワークにおけるリンク予測の精度向上には、ノード、エッジ、時間レベルでの微細な差異分布パターン(空間的異質性および時間的異質性)を捉えることが重要である。
要約
リンク予測における空間的および時間的な異質性を埋める方法:対照学習を用いたアプローチ
書誌情報: Yu Tai, Xinglong Wu, Hongwei Yang, Hui He, Duanjing Chen, Yuanming Shao, and Weizhe Zhang. How to Bridge Structural and Temporal Heterogeneity in Link Prediction? A Contrastive Method. PVLDB, 14(1): XXX-XXX, 2020. doi:XX.XX/XXX.XX
研究目的: 時間的異質性ネットワーク(THN)におけるリンク予測において、従来手法では十分に捉えられていなかった空間的および時間的異質性を考慮することで、予測精度を向上させることを目的とする。
手法: 本研究では、空間的異質性と時間的異質性の両方を符号化する多層的な自己教師ありアーキテクチャを採用した、新しい対照学習ベースのリンク予測モデルCLPを提案する。具体的には、ノードレベルとエッジレベルの両方から微細なトポロジー分布パターンを捉える構造特徴モデリング層と、時間レベル表現から動的グラフ構造の進化的依存関係を捉える時間情報モデリング層を開発した。さらに、構造的および時間的分布の異質性を対照学習の観点から符号化し、リンク予測タスクのための包括的な自己教師あり階層的関係モデリングを可能にした。
主な結果: 4つの実世界の動的異質性ネットワークデータセットを用いた広範な実験により、CLPは最新のモデルよりも常に優れており、AUCとAPの両方において平均でそれぞれ10.10%、13.44%の改善を示した。
結論: CLPは、THNにおけるリンク予測において、空間的および時間的異質性を効果的に捉え、予測精度を大幅に向上させることができる。
今後の研究: 本研究では、ノード、エッジ、時間レベルの異質性に焦点を当てているが、属性情報などの他の異質性を考慮することで、CLPの性能をさらに向上させることができると考えられる。
統計
AUCで平均10.10%、APで平均13.44%の改善が見られた。