核心概念
ゲノムデータは画像データよりも強力な生存予測因子となりうるが、コストとアクセス性に課題がある。本研究では、訓練時にゲノムデータと画像データの両方を利用し、テスト時には画像データのみに依存することで、この問題に対処する深層学習フレームワーク、PathoGen-Xを提案する。
要約
PathoGen-X: 組織病理画像からの生存予測を強化するクロスモーダルゲノム特徴トランスアラインネットワーク
本稿は、深層学習を用いて組織病理画像から生存率を予測する新しい手法を提案する研究論文である。
本研究の目的は、ゲノムデータと組織病理画像データの両方を活用して、より正確な生存予測モデルを開発することである。ゲノムデータは生存予測において強力な情報を提供するが、その取得にはコストと時間がかかるため、臨床現場では必ずしも利用可能ではない。そこで本研究では、訓練時にはゲノムデータと画像データの両方を使用し、テスト時には画像データのみを使用するモデルを開発することで、この問題の解決を目指している。
本研究では、PathoGen-Xと呼ばれるクロスモーダルゲノム特徴トランスアラインネットワークを提案する。このネットワークは、エンコーダ・デコーダ構造を採用し、組織病理画像から抽出された特徴量を、遺伝子発現データの空間へと変換する。具体的には、以下の3つの主要なモジュールから構成される。
クロスモーダルトランスレータ: 組織病理画像の埋め込みをゲノム空間に変換する。
ゲノム特徴量投影ネットワーク: ゲノムの埋め込みを、病理画像エンコーダからの潜在的な埋め込み表現と整合するように変換する。
生存予測ネットワーク: 潜在的な空間表現に基づいて、死亡リスクを予測する。