核心概念
最新のAI技術をもってしても、倫理的に問題のあるAIを使った査読を検出するには、既存のAIテキスト検出技術では精度が不十分であり、新しいツールや手法の開発が急務である。
要約
AIによる論文査読の可能性と限界:AI生成テキスト検出の課題
本論文は、近年の大規模言語モデル(LLM)の急速な発展に伴い、学術論文の査読プロセスにおいて、倫理的に問題のあるLLMの利用が増加している可能性を指摘し、その検出の難しさと、新しい検出手法を提案しています。
査読は、論文の質を保証する上で重要な役割を担っており、専門家による厳正な評価が不可欠です。しかし、LLMの言語能力の向上により、査読者がLLMを用いて査読を行うことで、時間や労力を削減しようとする倫理的に問題のある行為が増える可能性があります。
本論文では、人間が書いた査読と、異なる最先端LLMを用いて生成した査読を区別するために、既存のAIテキスト検出アルゴリズムの能力を調査しました。その結果、既存のAIテキスト検出技術では、GPT-4oが作成した査読の多くを、誤検出(偽陽性)を多く発生させずに特定できないことが明らかになりました。